有効成分
従来のセラメクチンと新しいサロラネル
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セラメクチン
Selamectin
サロラネル
Sarolaner
セラメクチンとサロラネルの寄⽣⾍へ想定される作⽤
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マダニ
吸血によるサロラネルの摂取
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ノミ成虫
主に吸血による血中セラメクチンおよびサロラネルの
摂取、毛包・皮脂腺に分布するセラメクチンとの接触 -
ノミ卵
セラメクチンおよびサロラネルを摂取したノミ成虫の産卵数低下ならびに孵化阻害
-
ノミ幼虫
環境中にある成虫排泄物中、
あるいは宿主の落屑物等のセラメクチンを摂取 -
ミミヒゼンダニ
耳道内で滲出液中の
セラメクチンおよびサロラネルと接触 -
フィラリア幼虫(L3~L4)
組織中で、セラメクチンと接触
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回虫(成虫)
腸管内に排泄されたセラメクチンと接触
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鉤虫
腸管内に排泄されたセラメクチンと接触
吸血による血中セラメクチンの摂取
新しいイソオキサゾリン系化合物「サロラネル」とは?
ゾエティスが自社開発した、
イソオキサゾリン系化合物「サロラネル」
約3,000種類の化合物候補の中から、様々なスクリーニング試験と改良の結果、ノミとマダニに対して優れた殺滅効力を有する化合物として誕生しました。
約3,000種類の化合物候補の中から誕生
「サロラネル」の優れた殺滅効力の源泉は、
ラセミ体の光学分割による【S-エナンチオマー】
サロラネルは少量で、他のイソオキサゾリン系化合物と比較してノミに10倍・ヒメダニに約3倍の殺
滅効力を示しました。
排除
活性
低/無
活性
高
S-エナンチオマー
活性を示す片方の構造だけを分離
して、殺滅効力を高めた。
ラセミ体
鏡像異性体同士が合わさっている状
態。片方は活性が低いか、無いこと
が多い。
活性を示す片方の構造だけを分離して、殺滅効力を高めた。
活性
高
活性
低/無
鏡像異性体同士が合わさっている状
態。片方は活性が低いか、無いことが多い。
この化合物は、犬用のノミ・マダニ駆除薬(シンパリカ®)と猫用の寄生虫駆除・予防薬(レボ
リューション®プラス)に用いられており、世界各国で使用されています。
In vitroスクリーニング試験
ネコノミ
被験物質を添加した5mLの牛クエン酸塩添加血を50mm径のペトリ皿に入れ、
膜を取り付け、ノミの入ったチューブを膜に接するようにおき、
メッシュの蓋を通じてノミが吸血できるようにした。ノミには2時間吸血させ、麻痺/死亡について、給餌開始後2時間及び24時間後に観察した。
ヒメダニ
被験物質を添加した5mLの牛クエン酸塩添加血を50mm径のペトリ皿に入れ、
膜を取り付け、その上に5匹のヒメダニ幼虫をおいた。
ヒメダニを約5~15分繰り返し吸血出来る状態におき、麻痺/死亡について24時間後及び72時間後に観察した。
両試験の結果より、LC80あるいはLC100(80%あるいは100%を死亡させる最低濃度)について下記に示します。
試験結果
サロラネルは、他のイソオキサゾリン系化合物に比べて
ノミに10倍・マダニに3倍の殺滅効力を示した。
- 化合物名化学的性質ノミ吸血
LC80(μg/mL)ヒメダニ吸血
LC100(μg/mL) - サロラネルS-エナンチオマー0.10.03
- アフォキソラネルラセミ体10.1
- フルララネルラセミ体10.1