サロラネルとは

Zoetis社が独自に動物専用に研究・開発した

新イソオキサゾリン系化合物です。

サロラネルは3,000種以上のイソオキサゾリン系化合物の中から、

ゾエティスの開発チームがスクリーニングし、そこからさらに改良を加えた全く新しい化合物です

ラセミ体を光学分割し、活性のある
S-エナンチオマーのみを採用
予期せぬ副作用の
発現を抑え(オフターゲット効果)、
節足動物に対する有効性を高めた。

McTier TL, et al. サロラネルの発見: 犬用の新規広域スペクトル経口イソキサゾリン系外部寄生虫駆除薬; Veterinary Parasitology 222(2016)3-11

サロラネルの殺滅効力

サロラネルは、従来のイソオキサゾリン系化合物に比べてノミに10倍、
マダニに3倍の殺滅効力を示した。

化合物名 ノミ吸血(C.felis
LC80(µg/ml)
ヒメダニ吸血(O.turicata
LC100(µg/ml)
化学的性質 模式図
サロラネル 0.1 0.03 S-エナンチオマー

活性を示す片方の構造だけを分離して、効力と安全性を高めた。

アフォキソラネル 1 0.1 ラセミ体

鏡像異性体同士が合わさっている状態。片方は活性が低いか 、無いことが多い。

 
 
フルララネル 1 0.1
成分名 化学的性質 構造式 ノミ吸血(C.felis)LC80(µg/ml) マダニ吸血(O.turicata) LC100(µg/ml)
サロラネル S-エナンチオマー
アフォキソラネル ラセミ体 1 0.1
フルララネル ラセミ体 1 0.1

LC80:母集団の80%が死滅する濃度、LC100:母集団の100%が死滅する濃度



ノミ成虫30匹、マダニ5匹を用い、被験物質を含んだ血液を
自由に吸血できる人工的な環境で試験を行った。

ノミに2時間、マダニに最大15分吸血させた後、別容器に移して、
試験開始後ノミは24時間、マダニは24時間及び72時間後に観察を行い、
ノミに対するLC80(死亡率が80%以上となった最低濃度)及び
マダニに対するLC100(100%を死亡させる最低濃度)を記録した。

その結果、サロラネルは比較対象物質に対してノミに1/10、マダニに1/3の濃度で
同等匹数のノミ・マダニを死滅させ、すなわち、ノミに10倍、マダニに3倍の
殺滅効力を持つことが明らかとなった。

申請資料