01はじめに
牛呼吸器病の再発率を低減させるためには、適切な期間、抗菌作用を維持することが重要となります。ヒトの肺炎治療においても同様に、抗菌剤による治療期間の設定は治癒率に影響を与えることが知られており、患者の状態(免疫、重症度等)、病原体及び抗菌剤の特徴を総合的に評価し設定する必要があります※。
持続型抗菌剤は1回投与で抗菌力を適切に持続させ、肺炎の再発率を低減させます。さらに、投与後、適切な経過観察期間(Post Treatment Interval)を設けることにより、不必要な治療を削減できる可能性があります。
02PTIとは
- Post Treatment Interval (PTI):治療後の経過観察期間
▶︎長期持続型抗菌剤投与後、有効濃度が維持されている間は経過観察期間とする。
▶︎その期間、基本的には症状が確認されても様子見とし、追加治療は実施しない。
04PTIを実践するにあたってのポイント
- 経過観察期間(PTI)の設定について
- ・各農場における呼吸器病の発生状況、重症度に応じて設定する必要があります。
- ・短い期間(3日間)から始めることを推奨致します。
- 早期発見・早期治療の徹底
- ・持続型抗菌剤は早期発見・早期治療により、その効果を最大限に発揮することができます。
- ・重症例では毎日の観察、それに基づく治療が必要となります。
- 経過観察期間(PTI)中の治療牛の観察について
- ・活気及び食欲の回復をご確認ください。投与後2~3日において、食欲が回復しないケースでは 他の疾病も考慮し、再度詳細な臨床検査を実施下さい。
(出典:Aliberti, S. et al.: Curr Opin Infect Dis 28(2): 177, 2015)