01はじめに
持続型抗菌剤は1回投与で抗菌力を適切な期間持続させ、呼吸器病の再発率を低減させます。さらに、投与後、適切な経過観察期間(Post Treatment Interval :PTI)を設けることにより、 不必要な治療を削減できます。
今回、持続型抗菌剤投与後のPTI設定の違いによる再治療率及び治療コストの差を比較しました。
02試験1
呼吸器病治療におけるPTI 3日間、5日間、7日間の比較
- 方法
- 米国の農場において、呼吸器病に罹患した肥育牛に対して エクセーデC 6.6mg/kg単回投与により治療し、治療後のPTIを3日間、5日間、7日間に設定した3群に分け、PTI経過翌日及びPTI経過翌日~試験開始9日目における再治療率を比較しました。
- 結果
- PTI経過翌日での再治療率はいずれのPTIの設定においても差はありませんでした。一方、PTI経過翌日から試験開始9日目までの再治療率は、PTI 7日間では他群に比べて低くなりました。
エクセーデCは少なくとも7日間抗菌作用が持続します。PTIを7日間と設定することにより、不必要な再治療を削減することができました。
03試験2
PTl設定による再治療に要するコストの削減
- 方法
- 上記の試験1の結果をもとに、エクセーデC投与後のPTIを3日間と設定したときの再治療コスト(PTI 経過翌日~試験開始9日目)を100%とし、 PTI 5日間及び7日間の再治療コストを算出しました。
- 結果
- PTl 3日間と比較し、PTI 7日間では再治療に要するコストは65%削減されました。
呼吸器病治療においてPTI を適切に設定することにより、薬剤コスト、労働コストを含む治療の要するコストを 削減できる可能性が示されました。