作用持続時間
ドラクシン®25; と ドラクシン®の生物学的同等性が認められました。
ドラクシン25とドラクシンの生物学的同等性(豚)
ドラクシン25とドラクシンを、1群15頭の豚(投与前日体重34.3~42.3kg)の頚部に2.5mg(力価)/kgの用量で単回筋肉内投与。
経時的に採血し、ツラスロマイシンの血中濃度を測定しました。
(ドラクシン25申請資料)
ドラクシン® の有効成分ツラスロマイシンは、速やかに吸収され、肺組織内で約15日以上、治療効果の持続が期待できます。
ドラクシン® の有効菌種に対する薬剤感受性
菌 種 | MIC90(µg/mL) |
---|---|
アクチノバチルス プルロニューモニエ(App) | 0.25※ |
マイコプラズマ ハイオニューモニエ(Mhp) | 1.0 |
パスツレラ ムルトシダ(Pm) | 0.5 |
※アクチノバチルス プルロニューモニエ(App)に対しては「補正MIC値」を適用。
◎ 市販品(自社製品)との薬物動態の比較
血漿中濃度 | ||||
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最高濃度(到達時間) | 半減期 | 投与24時間後濃度 | ||
ドラクシン® | 0.58 µg/mL(0.5 時間) | 91 時間 | 0.14 µg/mL※ | |
市販注射剤 A(自社製品) | 0.4 µg/mL(1 時間) | 7 時間 | 0.05 µg/mL 以下 |
肺組織中 | ||||||
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最高濃度(到達時間) | 半減期 | 投与7日後濃度 | 投与15日後濃度 | 血漿中AUCに対する 肺組織中AUC比率 |
||
ドラクシン® | 3.47 µg/mg(24 時間) | 142 時間 | 1.38 µg/g※ | 0.78 µg/mg※ | 60倍 | |
市販注射剤 A(自社製品) | 1.68 µg/mg(1 時間) | 5.7 時間 | ー注) | ー注) | 4.2倍 |
※ ドラクシン® 投与24時間後の血漿中濃度、投与7日後および15日後の肺組織内濃度は幾何平均値。
注)測定せず
(ドラクシン申請資料)
肺組織内で高い濃度が持続する
ドラクシンは投与後、速やかに吸収され30分で最高血中濃度に達し、肺組織では24時間で最高濃度に到達することが確認されました。また、感染部位に運ばれた後、肺組織内では約15日以上有効濃度を維持することが確認されました。
「試験概要」体重20~25.5kg、約2~3か月齢の健康な豚42頭(雌雄各21頭)に、ツラスロマイシンを2.5mg(力価)/kg、単回筋肉内投与した時の血漿中および肺組織内のツラスロマイシン濃度を測定。
「結果」ツラスロマイシンは投与後速やかに吸収され、投与24時間後に肺組織で最高濃度3.47µg/gに達した。
AUCを指標とした場合、肺組織には血漿中の約60倍の曝露が得られることが示された。
この結果と自社製品との比較として、ダノフロキサシンを1.25mg(力価)/kg、単回筋肉内投与した時のデータをグラフおよび表中に記載した。
ドラクシンのアクチノバチルス プルロニューモニエに対するMIC90値に与える豚血清あるいはCO2添加培養の影響
ドラクシン® の野外における効果
ドラクシンには3種の有効菌種が認められています。そのうち、パスツレラ ムルトシダ、マイコプラズマ ハイオニューモニエについては、MICの値からその効果を容易に推察できる一方、アクチノバチルス プルロニューモニエに関しては、培養条件としてより野外での実際の使用条件に近づくように豚の血清を添加すると、 左記のとおりMICの値が大幅に改善することが判明しました。つまり、 ドラクシンは、実験室内(in vitro)での効果よりも体内(in vivo)でより高い効果を発揮する可能性を示唆しています。
(Nigel A. Evans, Tulathromycin: An Overview of a New Triamilide Antimicrobial for Livestock Respiratory Disease, Veterinary Therapeutics, Volume 6, Number 2 Summer 2005)