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フォステラ®︎ ゴールドPCV MHは2種類のPCV2株(a型およびb型)を含んでおり、従来のPCVワクチンと比較して、複数のPCV2株に対する守備範囲が広がることが確認されました。
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本製品は、2種類のPCV2抗原およびMhp抗原を製造段階ですでに混合しています。そのため使用前にワクチンの混合作業を行う手間がかかりません。また、Mhp培養液中に含まれている抗PCV抗体を除去する独自技術*により、混ざっていても効果が減弱されず、その品質は使用期限まで担保されます。* プロテインAを用いたアフィニティークロマトグラフィー
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ワクチン抗原は、アジュバントと一緒に体内に投与され免疫を誘導します。本製品のアジュバント(メタスティム®︎)は、抗原をその「表面だけでなく内部にも」含んでいることが特長です。これにより、アジュバント表面の抗原が移行抗体などによって捕捉されてしまっても、アジュバント内部の抗原は免疫細胞に認識されるまで守られるため、より確実な免疫誘導が起こります。
3週齢での1回投与をおすすめします
- マイコプラズマとPCVに対する免疫を1回の投与で誘導し生産性を維持向上
- 1ショットだから作業性やストレスも改善
PRDC※対策と生産性の維持向上のために
※豚呼吸器複合病
マイコプラズマ、PCV2とも、比較試験において優れた効果を確認
劇薬 要指示医薬品 指定医薬品 動物用医薬品
- 貯法
- 2~8℃
(豚サーコウイルス(2型)感染症(1型-2型キメラ、1型-2b型キメラ)・マイコプラズマ・ハイオニューモニエ感染症用混合(油性アジュバント加)不活化ワクチン)
本剤は1型-2型キメラ豚サーコウイルス、1型-2b型キメラ豚サーコウイルス及びマイコプラズマ・ハイオニューモニエのそれぞれの培養液を不活化後混合し、油性アジュバントを添加したものである。本剤一剤の投与で、豚サーコウイルス2型感染と豚マイコプラズマ性肺炎による影響を低減することができる。
PCV2の性状として変異率が高いこと、今後も変異が進行する可能性を鑑み、本剤はPCV2に対する交差域拡大を目指し2種の異なる遺伝子型(PCV2a型及びPCV2b型)抗原を含む2価ワクチンとした。
【成分及び分量】
液状ワクチン2mL(1頭分)中
成分 | 分量 | |
---|---|---|
主剤 | 豚腎株化細胞培養不活化1型-2型キメラ豚サーコウイルスcPCV1-2株(シード) | RP1)1.0以上 |
主剤 | 豚腎株化細胞培養不活化1型-2b型キメラ豚サーコウイルスcPCV1-2b株(シード) | RP 1.0以上 |
主剤 | 不活化マイコプラズマ・ハイオニューモニエPurdue株(シード) | RP 1.5以上 |
アジュバント | SPオイルアジュバント | 0.18~0.22mL |
保存剤 | 10vol%チメロサール溶液 | 0.1vol%以下 |
溶剤 | リン酸緩衝食塩液 | 残量 |
1)RP:相対力価
【効能又は効果】
豚サーコウイルス2型感染に起因する死亡率及び発育不良豚発生率の低減、増体量抑制の軽減、臨床症状の改善、ウイルス血症及びウイルス排泄の低減、並びにリンパ球減少の低減。豚マイコプラズマ性肺炎による肺病変形成の抑制、並びに増体量抑制及び飼料効率低下の軽減。
【用法及び用量】
本剤2mLを3週齢以上の豚の頚部筋肉内に注射する。
【使用上の注意】
(基本的事項)
1.守らなければならないこと
(一般的注意)
- 本剤は、要指示医薬品であるので獣医師等の処方箋・指示により使用すること。
- 本剤は、効能・効果において定められた目的にのみ使用すること。
- 本剤は、定められた用法・用量を厳守すること。
(使用者に対する注意)
- 事故防止のため、作業時には手袋等を着用すること。
(豚に関する注意)
- 投与部位を厳守すること。
- 投与部位は消毒し、注射時には注射針が血管に入っていないことを確認してから注射すること。
(取扱い及び廃棄のための注意)
- 外観又は内容に異常を認めたものは使用しないこと。
- 使用期限が過ぎたものは使用しないこと。
- 本剤には他の薬剤(ワクチン)を加えて使用しないこと。
- 使用前によく振り混ぜて均一にすること。注射途中にも適当な振盪を行うこと。
- あらかじめ室温程度に戻してから使用すること。
- 小児の手の届かないところに保管すること。
- 直射日光又は凍結は品質に影響を与えるので、避けること。
- 注射器具は滅菌又は煮沸消毒されたものを使用すること。薬剤により消毒をした器具又は他の薬剤に使用した器具は使用しないこと(ガス滅菌によるものを除く。)。なお、乾熱、高圧蒸気滅菌又は煮沸消毒等を行った場合は、室温まで冷えたものを使用すること。
- ワクチン容器のゴム栓は消毒し、無菌的に取扱うこと。
- 使い残りのワクチン及び容器は地方公共団体条例等に従い処分すること。
- 使用済みの注射針は、針回収用の専用容器に入れること。針回収用の容器の廃棄は、産業廃棄物収集運搬業及び産業廃棄物処分業の許可を有した業者に委託すること。
2.使用に際して気を付けること
(使用者に対する注意)
- 誤って人に投与した場合は、患部の消毒等適切な処置をとること。誤って投与された者は、必要があれば医師の診察を受けること。その際、動物用油性アジュバント加ワクチンを誤って投与されたことを医師に告げるとともに本使用説明書 を医師に示すこと。
本ワクチン成分の特徴
微生物名 | 抗原 | アジュバント | ||
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人獣共通 感染症の当否 |
微生物の 生・死 |
有無 | 種類 | |
1型-2型キメラ豚サーコウイルス | 否 | 死 | 有 | SPオイル アジュバント |
1型-2b型キメラ豚サーコウイルス | 否 | 死 | ||
マイコプラズマ・ハイオニューモニエ | 否 | 死 |
本ワクチン株は、不活化されており感染性はない。
- ワクチン容器は破損するおそれがあるので、強い衝撃を与えないこと。
- 開封時にアルミキャップの切断面で手指を切るおそれがあるので注意すること。
- 注射器具(注射針)は原則として1頭ごとに取り替えること。
- 本剤の投与後、激しい運動は避けること。
- 本剤の投与後、少なくとも2日間は安静に努め、移動や激しい運動は避けること。また、温度管理等に十分注意し、豚に与えるストレスの軽減に努めること。
- 本剤投与後、投与部位に一過性の腫脹等が認められることがある。
- 本剤投与後、一過性の軽度な元気消失、食欲減退、体温上昇等が認められることがある。
- 副反応が認められた場合には、速やかに獣医師の診察を受けること。
- 開封して一度注射針を刺したワクチンは速やかに使用すること。使い残りのワクチンは雑菌の混入や効力低下のおそれがあるので、使用しないこと。
(専門的事項)
①対象動物の使用制限等
重篤な疾病にかかっていることが明らかな豚には投与しないこと。
次の動物については、健康状態及び体質等を考慮し、投与の適否を慎重に判断すること。
- 発熱、咳、下痢、重度の皮膚疾患など臨床異常が認められる豚
- 疾病の治療を継続中のもの又は治癒後間がない豚
- 明らかな栄養障害がある豚
- 他のワクチン投与や移動後間がない豚
②重要な基本的注意
- 移行抗体価の高い個体ではワクチン効果が抑制されることがあるので、幼若な豚への注射は、投与時期を考慮すること。
【薬理学的情報等】
(薬効薬理)
本剤の野外株との交差性を確認するため、バイオインフォマティクスによる解析(T細胞エピトープコンテンツ比較、EpiCC)によって評価した。その結果、PCV2a型抗原のみの1価ワクチンと比較して、PCV2抗原を2価にした本剤の方がEpiCCスコアが高いことが示され[1]、PCV2抗原の種類を増やすことによってワクチンの交差域が拡大したことが示唆された。また、国内で実施した豚サーコウイルス関連疾病(PCVAD)陽性農場における野外臨床試験において、死亡豚由来検体(肺又は血清)から定量RT-PCRにおいてコピー数の多かった検体10サンプルを選択し、PCV2遺伝子型別を行った。その結果、検査した全ての検体がPCV2d型であったことが確認された。このことは、当該農場は試験期間中にPCV2d型の流行があったことを示唆するものである。当該農場において本剤の安全性及び有効性が確認された(表)。
表. PCVAD陽性農場における国内野外臨床試験の有効性評価結果
評価項目 | ワクチン 投与後日数 | 陰性対照群 (n=100) | ワクチン投与群 (n=100) |
死亡率 | (試験期間中) | 21.0% | 11.0% |
発育不良豚発生率 | (試験期間中) | 25.0% | 14.0%* |
体重 | 84日 | 50.1±11.0kg | 53.7±9.3kg* |
出荷日 | 97.8±16.9kg | 102.6±12.8kg* | |
平均1日増体重 | (試験期間中) | 0.65±0.12kg | 0.69±0.09kg* |
ウイルス血症 | 56日 | 740.2copies/μL | 246.2copies/μL* |
84日 | 316.0copies/μL | 163.7copies/μL* | |
ウイルス排泄 | 28日 | 994.7copies/μL | 242.8copies/μL* |
56日 | 807.7copies/μL | 172.0copies/μL* | |
84日 | 270.2copies/μL | 179.9copies/μL* |
*p<0.05で有意差あり
(長期安定性試験)
本剤製造後、定められた貯蔵方法下で保存したとき、無菌試験、安全試験、豚サーコウイルス感染症(cPCV1-2株)力価試験、豚サーコウイルス感染症(cPCV1-2b株)力価試験およびマイコプラズマ・ハイオニューモニエ感染症力価試験等により、有効期間内の品質が保証された。
【主要文献】
[1]Bandrick M. et al. : Vet. Immunol. Immunopathol. 223, (2020)
【有効期間】
製造後3年9か月間
【包装】
50回分×1バイアル