01.BASIC / 知ってるつもりは要注意。
マイコプラズマ性肺炎の
基礎知識。
軽い病気だと思っていると、大間違い!
子豚をじわじわ弱らせ、発育不良を引き起こすマイコプラズマ性肺炎の正体とは?
マイコプラズマ性肺炎
とは
MYCOPLASMA HYOPNEUMONIAE
感染スピードは遅く、
じわじわと豚群をむしばむ。
マイコプラズマ性肺炎は、マイコプラズマ ハイオニューモニエ(マイコプラズマ)によって引き起こされる病気で、全国的に広く蔓延しています。感染すると8カ⽉もの⻑期にわたりマイコプラズマを排泄するという報告もあります。
マイコプラズマは豚の体内でゆっくり増殖するため、肺炎の症状を表わすのに時間がかかります。⾃家育成している農場では、肥育舎で感染した候補豚が分娩後までマイコプラズマを排泄することがあり、哺乳中の⼦豚にうつしてしまいます。
感染の原因
マイコプラズマは感染した母豚や同居豚の「咳」や「くしゃみ」などの飛沫や接触により広がります。
症状
主な症状は「から咳」。
単独感染ではへい死に⾄ることはまれですが、細菌やウイルスなどの病原体が感染しやすくなるため、豚呼吸器複合病(PRDC)などの⽣命を脅かす重篤な症状を引き起こすこともあります。
また発育不良や飼料効率の低下により⽣産者に経済的に⼤きなダメージを与えます。
マイコプラズマ性肺炎の
3つのポイント
three points
軽い病気だと思われがちですが、
農場に経済的なダメージを与えます。
検査方法
DIAGNOSTICS
マイコプラズマ性肺炎の診断はいくつかの組み合わせで行われます。
豚群における臨床症状や今までの病歴、血液検査、生産成績などの情報をもとに判断されます。
ここでは一般的な検査方法についてご紹介します。
01.検査方法
抗体検査
通常は豚から採⾎をして、抗体を測定します。抗体検査により、豚がマイコプラズマに感染したことがわかります。しかし、マイコプラズマは増殖スピードが遅く、感染していてもなかなか抗体が上がらず、抗体検査で陰性になることがあるため、感染時期を推察するのは困難です。
マイコプラズマ ワクチンを投与している豚は、野外感染すると即座に免疫応答が始まり、抗体検査で陽性を確認することができます。
抗体検査でマイコプラズマ ワクチンの効果を測ることはできません。
02.検査方法
肺病変の評価
途中死亡豚や出荷された豚の肺を観察して病変を調べます。特に屠場では、肺全体に対する肺病変の割合から、1日平均増体量、飼料要求率、出荷までの飼育日数など生産性の影響を推測することができます。
肺病変率が10%を超えると、これら3つの指標による経済損失が大きくなります。病変の程度から、マイコプラズマ ワクチンやその他の対策の効果を推測できます。ただし、屠場の肺病変検査において感染時期を特定することはできません。
肺病変の程度
03.検査方法
PCR検査
豚の気管⽀肺胞洗浄液(BALF)や肺病変、⿐腔や喉頭の粘液などに含まれるマイコプラズマのDNAを検出する検査⽅法です。
⼀例として、⺟豚が感染源となり出⽣⼦豚が早期に感染しているか否かを調べるときに使⽤されています。離乳時に⼦豚の喉頭からスワブで粘液を採取して検査を⾏います。離乳時の罹患率が⾼いと出荷豚のマイコプラズマ病変のスコアが⾼くなると報告されています。離乳時の感染率を把握することで、マイコプラズマ対策に活用することができます。
離乳時のマイコプラズマ罹患率と
肺病変スコアとの相関関係
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