免疫の誘導
Induction of immunity
局所免疫能の評価と免疫持続期間の検討
投与後の局所免疫能の評価
- 供試牛
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平均月齢:2.8~5.2ヵ月齢の子牛(ホルスタイン、F1混合)
抗体保有状況:事前に抗体検査を実施し、試験開始前にIBRウイルス及びPI3ウイルスに対する抗体が陰性(中和抗体価:2倍未満)の牛。
- 方 法
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投与群、対照群共に30頭ずつ(ホルスタイン、F1混合)に、投与群にはTSV-2を、対照群には生理食塩液をそれぞれ鼻腔内に2mlずつ投与した。
試験0、28及び42日に被験牛から血液試料を採取し中和抗体価を測定した。また、試験0、2、4、6、8、10、12、14及び21日目に被験牛の両側鼻腔から鼻汁スワブを採取し、lgA及びIFN-yを測定した。
鼻腔スワブ中のIFN-y
鼻腔スワブ中のlgA
結論
局所免疫としてのIFN-y値は、試験4~6日目に有意な上昇が認められた(P<0.01)。また、IBRウイルス、PI3ウイルスに対するlgAは、試験6日目に有意な上昇が認められ(P<0.05)、その後も対照群に比べて高い傾向で推移した。以上のことからTSV-2投与による局所免疫の誘導が確認された。
(出典:申請資料)免疫持続期間の検討
- 供試牛
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平均月齢:3~6ヵ月の牛(ホルスタイン)
- 方 法
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投与群(n=6)にはTSV-2を、対照群(n=4)は無投与とした。
投与4~5ヵ月後にIBR強毒株あるいはPI3強毒株にて攻撃し、中和抗体価を測定して、鼻腔スワブ中のウイルス量を測定した。
中和抗体価の推移
鼻腔スワブ中のウイルス排泄
結論
TSV-2投与群は攻撃後速やかに中和抗体価が上昇し、ウイルス排泄量が抑制傾向にあったことから、本ワクチン投与後、少なくとも約4~5ヵ月間は免疫が持続するものと考えられた。
(出典:申請資料)